肺炎とは

 肺炎は、気管支や肺胞が、細菌やウイルスその他の病原体などに感染して、肺の中に炎症をきたして引き起こされます。肺炎になると、酸素と二酸化炭素を交換する機能が低下し呼吸苦になったり、ひどい咳(せき)や喀痰、高熱や胸痛など様々な病変を起こします。
肺炎は戦後の抗菌薬の登場で、治療は大きな進歩を遂げ、乳幼児や比較的若い年齢層の罹患者の死亡率などは激減しました。しかしながら、現在でも日本人高齢者の主要な死因として君臨しています。理由としては、医療の進歩により他の様々な疾患が治癒するなどして、寿命が延び高齢化が進んだことが大きな要因です。高齢者の末期肺炎や誤嚥性肺炎などいわゆる老衰に伴う肺炎は、高齢化が進むにつれて増加し減少させることが難しいといわれています。
それらの治療にも当然心血を注ぐことが必要ですが、改善しうる肺炎の検査、診断と治療、それらの予防などが肺炎治療では課題といえます。

肺炎と風邪

肺炎は、風邪(かぜ症候群)やインフルエンザの症状と良く似ていますが、炎症を起こす部位が違います。風邪では肺野の手前の上気道や気管がウイルスや細菌に感染して炎症をおこしますが、肺炎では肺野の中の肺胞や気管支の末端で炎症をおこします。
風邪では37℃程度の微熱やせきや鼻水、喀痰や咽頭の腫れなどが主な症状な事が多いですが、肺炎では38℃を超える高熱が続いて息切れや呼吸困難に陥る事もしばしばあり、入院を余儀なくされることも少なくありません(風邪症状も侮ると、肺炎に発展する事もあるので注意が必要です)。また、インフルエンザなどは、38℃以上の高熱が出る事もあり、より類似した特徴をもっており、なかなか熱が下がらないと思ったら肺炎を患っているといった事もあります。
肺炎を見逃さないためにも、症状や経過確認、聴診などをしっかりと行い、必要に応じて検査を行います。

肺炎の診断のための検査

【画像診断】
肺炎が疑われる際に一般的に行われる画像検査としては、レントゲン撮影があげられます。レントゲン撮影で明らかな陰影が確認でき診断に至るケースもありますが、初期の肺炎など陰影が小さい場合や他の臓器と重なっている場合などには、発見できない場合が多数あります。そういった場合は、胸部CT検査がとても役に立ちます。当院では、医師の判断でレントゲン撮影と胸部CT検査の片方もしくは両方にて検査を行っていきます。

【血液検査】
血液検査にて、炎症の有無を確認する方法も一般的です。赤血球沈降速度(血沈)やCRP、白血球数などの検査を行いながら、肺炎の診断に役立てます。

【呼吸機能検査】
呼吸機能の状態を見る事により、重症度の目安とすることもあります。

肺炎の種類

肺炎にはいくつかの分類方法がありますが、以下では原因となる病原による分類を記載します。

【肺炎の原因となる細菌やウイルスなどによる分類】
 原因 症状等
ウイルス性肺炎インフルエンザウイルス・はしかウイルスなど感染性の疾患(風邪症候群)、肺梗塞、外傷など
細菌性肺炎肺炎球菌・ブドウ球菌など 咳喘息、アトピー喘息、副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流症、慢性気管支炎など
その他病原体
マイコプラズマ・クラミジアなど
上記の分類以外にも感染組織による分類(肺胞性・間質性)や感染場所による分類(市中・院内)などがあります。

風邪(かぜ症候群)の原因の8~9割がウイルスといわれていますが、肺炎の原因の大半が細菌です。以下のものが肺炎の原因となっています。

・肺炎球菌
・インフルエンザ菌
・マイコプラズマ・ニューモニエ
・クラミジア・ニューモニエ
・その他ブドウ球菌や結核菌、レジオネラなど

肺炎のなかで、肺炎球菌が原因とされるものが、約30%あると言われています。つづきマイコプラズマをあわせると全体の4割近くを占め、それぞれの治療法は異なるため、必要に応じて二点の迅速検査を実施することもあります。